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Dr.モーリーのまめ知識

舟状骨骨折(手)について 2008/01/29
舟状骨は血行の悪い骨のため、非常に治りにく骨折のひとつです。

1月に入ってから、2人の舟状骨骨折を放置したままの患者様が来院されました。
1名は前医で初診時に骨折を見逃された方、もう1名は自分で判断し1ヶ月医療機関を受診しなかった方です。

舟状骨とは、親指の付け根と手関節の間にある、文字通り舟の形をした小さな骨のことです。舟状骨は後ろ向きにこけたとき、手を背屈させた状態でついて骨折することが多いです。

症状:けがの直後では、手首の母指側の痛みと腫れが生じます。時間ともに強い痛みは消失していきますが、すっきり痛みが取れません。放置していると、骨折部がくっつかず偽関節(骨折した骨がくっつかず、関節のように動く)になってしまいます。

診断:整形外科の専門医を受診しますと、この骨折を疑って、いろんな角度からレントゲン撮影をしますから、見逃されることは少ないのですが、専門医以外では見逃されることが多いのもこの骨折の特徴です。わかりにくいときはCT、MRI検査を行うこともあります。

治療:受傷直後に診断がつく場合には、ギプス固定を行うことで治癒する場合もありますが、早期に特殊なネジで固定して治療期間を短縮させる手術が積極的に行われています。
偽関節になった場合は、手関節全体の骨の配列に影響を及ぼすため骨を移植してネジで固定する手術が行われます。

転倒して手関節周囲の痛みが強い場合には、まず整形外科専門医を受診してください。

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(医)森本整形外科クリニック